地区優勝チームで唯一異色のカーディナルス。貧打のチームが優勝したふたつの理由とは?
2020/04/13
2019年地区優勝を果たしたチームの中でカーディナルスだけが異色だったのはご存じでしょうか?
ア・リーグ東地区の地区優勝チームはヤンキース103勝(2位との差7)、中地区ツインズは101勝(差8)、西地区アストロズは107勝(差10)と圧倒的大差。ナ・リーグ東地区のブレーブスは97勝(差4)、西地区ドジャースは106勝(差21)、そして中地区の優勝チームがカーディナルス91勝(差2)です。
各地区圧倒的な強さを誇り、カーディナルスは唯一2位チームとの差が僅差だったということを差し置いても、やはり他5チームと比較すると異色でしたが、その違いがかなり魅力的だったのです。
今回は、絶対にカーディナルスを応援したくなる他チームとは異なる個性について確認しましたのでめじゃる。
攻撃力が貧打過ぎるカーディナルス
実はカーディナルスは、2019年優勝チームの中ではとてもとても優勝出来るレベルの打撃力がありませんでした。
1、ツインズ 307本塁打
2、ヤンキース 306本
3、アストロズ 288本
4、ドジャース 279本
8、ブレーブス 249本
24、カーディナルス 210本
23位には108敗もしたオリオールズ、26位には貧打で有名なジャイアンツ。後は中地区の弱っちい三銃士の25位ホワイトソックス、28位ロイヤルズ、29位タイガースなど。少なくともこの本塁打全盛期の時代に本塁打に頼らずに勝ち残ったのが分かりますね。
では何でそんなに強かったのか?って事で得点力と相関性の高いOPSについて確認しました。
1、アストロズ OPS.848
2、ツインズ .832
3、ヤンキース .829
4、ドジャース .810
7、ブレーブス .789
21、カーディナルス .737
相変わらず上位4チームは最強。投手力で世界一になったかのように思われているナショナルズでも6位でチームOPS.796。決して世界一は投手力だけではなかったのだ。
地区最下位となった6チームはいずれも25位オリオールズ、29位タイガース、20位マリナーズ、30位マーリンズ、19位パイレーツ、26位パドレスとOPSは低く、チーム順位とも関連性が高いのが分かる。
こう考えると、カーディナルスが地区優勝したことがどれだけ異常な状態だったということがおわかりいただけただろうか。
👀Coming soon… pic.twitter.com/yN2e5lr7Yv
— St. Louis Cardinals (@Cardinals) April 2, 2020
守備力は上位に食い込むカーディナルス
カーディナルスの特徴のひとつに、鉄壁とも言える防御力があります。やはりいつの時代も守備力が高いというのは一定の需要はありそうだ。
1、ドジャース DRS+126
3、アストロズ +96
4、カーディナルス +91
10、ブレーブス +41
18、ツインズ +3
21、ヤンキース -5
直接の関連性はなさそうですが、やはり攻守バランスの取れた強いイメージのドジャース、アストロズは最高レベル。それに続くのがカーディナルスでした。
ここでカーディナルスの良いところがひとつ。ディフェンシブポジションと言われる二塁、遊撃、中堅の三人がすべてGG級の働きをした事。これはドジャースやアストロズにはありません。
遊撃デヨングDRS+26、二塁ウォンDRS+19、中堅ベイダーDRS+14。DRS+15以上がGG級とされるこの指標において、打球が飛びやすいと言われるこの3ポジでこの数字を叩き出したのはカーディナルスだけでしょう。
この鉄壁な守備こそカーディナルスを地区優勝に導いた賜物でした。
Paul DeJong in 2018: -1 Outs Above Average going toward 1B
Paul DeJong in 2019: +10 Outs Above Average going toward 1B
Plays like these were key to DeJong's OAA improvement. pic.twitter.com/gaJfswWRy9
— Andrew Simon (@AndrewSimonMLB) January 17, 2020
私失敗(エラー)しないので!が言えるカーディナルス
試合を勝ち抜くうえで取れるアウトを確実に取る、これが野球の基本。高校野球でもミスしなかった方が勝つ!と何かの漫画で言うてましたし。それをメジャーで実現しているのがカーディナルス。
1、カーディナルス 66
2、アストロズ 71
4、ブレーブス 78
20、ヤンキース 102
22、ドジャース 106
25、ツインズ 111
打撃力に劣るチームが試合に勝つために必要な条件のひとつがエラーをしないこと。2019年のカーディナルスはエラーの数の少なさがメジャーでナンバーワンだったのです。
チームで一番エラーが多かったのが二塁ウォンの9失策でしたが、この守備力を持っていればエラーのひとつやふたつはなんのその。守備範囲が広すぎるからこその諸刃の剣といってもいいかと。
エラーをほとんどしないチームがあれば...強そうですよね。
KOLTEN WONG DESERVES THE GOLD GLOVE RIGHT NOW! pic.twitter.com/houn356GQG
— St. Louis Cardinals (@Cardinals) June 5, 2019
カーディナルスは打撃力はさほどありませんでしたが、守備力+エラーをしないという今の時代とは逆行した武器でリーグ優勝していたのでした。
2020年、飛ぶボールじゃなくなるとの噂ですが、カーディナルスが最強の時代が来るのではないでしょうか?
ほな